緑のカーテン。
建物の温度を下げて、外観もお洒落になります。省エネ。
水草の絨毯。
アクアリストの誰もが憧れる。そして一度は挑戦して失敗する。
今回はそんな水草の絨毯についてお話します。
目次
パールグラスで緑の絨毯
本当にきれいですよね。緑の絨毯。
もちろんパールグラス以外の水草でも緑の絨毯はできます。
代表的な水草を紹介します。※難易度は独断と偏見と個人の感想です。
リシア
難易度 ★★☆☆☆
リシアはとても成長が早い水草です。
固定さえできれば簡単に緑の絨毯を作ることができます。
リシアは根っこを張るタイプの水草ではないので何かに巻き付けたりさせて固定する必要があります。
よくやる方法としては、「リシアストーン」や「ウィローモスプレート」に巻きつける方法や、リシアネットに入れて沈める方法があります。
また、強い光量とCO2添加が必要です。(CO2は無いと育たないわけでは無いですが、うまく育ちにくいです)
成長速度が早すぎるのでトリミングが割と面倒だったり。
グロッソスティグマ
難易度 ★★☆☆☆
ちょい大きめで濃い緑色の葉っぱが特徴的なグロッソスティグマ。
ランナーを生やして広がりながら育つ水草です。
横に根を伸ばし、地面を這いながら成長するので、緑の絨毯を作るのに最適な水草と言えるでしょう。
成長速度はそこまで遅くないです。30cmキューブ水槽くらいのサイズなら1ヶ月で十分絨毯と言えるほど成長するでしょう。(したと思う)
比較的簡単に育つ水草で初心者におすすめされがちですが、やはり強い光量とCO2添加を推奨されています。
ショートヘアーグラス
難易度 ★★★☆☆
針状の葉っぱが集まって育つパッと見、芝っぽい水草です。リシアと違ってちゃんと根っこ生えます。
緑の絨毯というより芝生の方が表現的には近い印象です。しばっしば。
前景草に採用されることもしばしば。
この水草も成長が早く育成しやすい点も魅力です。
ちょっとコケが生えやすい印象があるので、頻繁に水換えをしても体調を崩さない魚を飼育する水槽が望ましいです。(水換えすると不必要な栄養がなくなるのでコケも生え辛くなります)
キューバパールグラス
難易度 ★★★★★
僕はこれを見てアクアリウムを始めました。と言いたいくらい。魅力的な水草ですね。(始めた理由はもちろん、ビーシュリンプを飼いたかったからです)
濃い緑色をした極小の丸い葉が可愛い水草です。
グロッソスティグマと同じでランナーを生やして広がりながら育ち、地面を這いながら成長します。密度を上げやすいキューバパールグラスは緑の絨毯と言ったら一番名前が上がるほどポピュラーな水草です。
光量が足りていないと上に伸びやすくなったり、葉っぱが痩せ細ったりします。(もやしみたいな感じ)
そして成長速度がかなり遅いです。CO2添加しないと本当に成長してる?と疑いたくなる速度です。
完全に絨毯状になるまでに、30cmキューブ水槽では3ヶ月以上は覚悟した方が良いでしょう。
しかし、手間のかかるキューバパールグラスですが、光合成して気泡をつけるキューバパールグラスの美しさと言ったら。もう。言葉はいらないでしょう。(語彙力)
ニューラージパールグラス
難易度 ★★★★☆
ニューラージパールグラスは、ラージパールグラスの改良品種です。
ラージパールグラスは底床を這うことはありませんが、ニューラージパールグラスはキューバパールグラスのようにランナーを生やして広がりながら育ち、地面を這いながら成長します。
ラージパールグラスとはもう別物です。親戚だけど従姉妹の娘の旦那くらい違います。(流石にもうちょうい近い)
ニューラージパールグラスが台頭する以前は、キューバパールグラスが主力でしたが、その人気は今やキューバパールグラスと遜色ありません。
キューバパールグラスとの違いは、ニューラージパールグラスのほうが成長が早く、葉が少しだけ大きくてちょっと色が濃いのが特長です。
育てかたはキューバパールグラスとほとんど変わりませんが、ニューラージパールグラスは比較的育てやすくおすすめな水草です。
キューバパールグラスのような見た目でかつ、育てやすい。
ニューラージパールグラスはハイブリットな水草ですね。
兎にも角にも、皆さんも一度は挑戦してみたことがあるのではないでしょうか。
あるいは、これから挑戦しようとしてる方もたくさんいると思います。
そこで、今回はニューラージパールグラスで緑の絨毯を作るためにはどうすると良いのか、どんな育て方があるのか、実体験を元にお話したいと思います。
ニューラージパールグラスの育て方
僕が今までに試した育て方3選を紹介します。
30cmキューブ水槽で育てる前提でお話します。
まずは王道、CO2添加!
一般的な育成方法ですね。
植物と同じように、水草が育つためには光と酸素と二酸化炭素が必要です。
光合成と呼吸ですね。水草はこの二つを繰り返しながら成長していきます。
小学生のころ一度は習いますよね。(中学生だったかな?)
呼吸に必要な酸素は比較的水に溶けやすく、水草が必要とする量は特に何もしなくても充分確保できています。
光合成するときに必要な二酸化炭素は、水に溶けにくいので、二酸化炭素を添加してあげると水草はぐんぐん育ってくれます。
必要な物
- 30cmキューブ水槽(当然)
- 塩素を抜いた水(やや硬水の方が育ちが良いです)
- 照明 8時間/日 照射(1,000ルーメン以上を想定)
- CO2添加 1泡/2秒 (照明照射時のみ)
- ソイル
植え方のコツ
1cmほどにカブを分けたら、ピンセットを使って、ズボッとソイルの中に突っ込みます。
突っ込んだ葉っぱがほとんど見えない状態で、ピンセットをやや斜めに引き抜くと植えやすいです。
ソイルに完全に埋まる少し手前、ちょっとチラ見してるくらいで問題なく育ちます。
ちょいチラで我慢するように心がけてください。
ちゃんと根を張らせることが重要でこれを怠ると、少し育ってきた際に浮いてきたりします。
ニューラージパールグラスを植えたら基本的には放置です。
コケとの戦いになるので、週1回は1/3ほどの水換えをすることをおすすめします。
生態を入れてる場合はあまり頻繁に水換えをしてしまうと生態が弱ってしまうこともあるので、コケが生えてたら、CO2の添加量を減らし、照射する時間を減らして調整しましょう。
生えてくるコケにもよりますが、オトシンクルスやヤマトヌマエビをタンクメイトに入れておくと良いでしょう。
ミスト式は楽チン!
基本放置です。
時折、何を育てているんだろうという虚無感に苛まれたりします。
ミスト式で水草を育てている間に、友人が家へきたりするとなんとも言えない空気になったりします。
何育ててるの?と聞かれると、「いやぁ、水草を、水上で育ててるんだよー」とか言うのです。
少し空い気持ちになったりします。
必要な物
ミスト式とは
水槽に水を入れずに、地上と同じ環境で水草を育てる方法のことをミスト式と呼びます。
この方法の一番のメリットは、CO2の添加がいらないということにあります。
空気中に含まれている光合成する際に必要となるCO2も、呼吸に必要な酸素も、地上なら使いたい放題です。
水草と言いつつも水上でも育つニューラージパールグラスならではの植栽方法ですね。(色々な水草でも出来るよ)
もちろん、全く水がいらないわけは無いので、植栽後、霧吹きを満遍なくかけて十分ソイルを濡らしたら、水槽にラップをして乾燥しないようにしてあげます。
夏場など、高すぎる温度が籠もってしまうと、水草が腐ってしまうこともあるので日に一度は空気の入れ替えをしてあげましょう。その他の季節は基本放置で大丈夫です。
乾燥してきたら霧吹きをかけてあげる必要がありますが、ラップをしていればほとんど乾燥しないので3日〜7日に一度様子を見つつ霧吹きをかけてあげます。
3週間ほどで根を張ってある程度育ちます。
水上葉は上へのび安く、こんもりしがちなのである程度育ったら水中葉として育てることをおすすめします。
水上葉から水中葉になる過程で少し枯れてとけてしまうことがありますが、根がちゃんと張っていて葉っぱが残っていれば、また復活します。(水中で育てるより強い気がします。)
ゆっくりお水を入れたらCO2を添加して自然な絨毯になるまで待ちましょう。
CO2を添加しなくてもかなりゆっくりではありますが一応成長はしてくれます。
気長に待ちましょう。
植え方のコツ
植栽は水中で育てる時と同じです。
小さめに分けたニューラージパールグラスをやはりボスッとソイルに突っ込みます。
最終的に水をいれることを考えて、やや深めに植え、葉っぱをチラッと見せるようにしましょう。
ミスト式の場合、水圧が無いので割と簡単にソイルから葉っぱや茎が出てきてしまいます。
今生の別れ、くらいの気持ちで埋めておきましょう。
あとはほっとけ、その内生える。
水草だって、草だろ!
光合成すりゃあ育つだろ!
そんな気持ちでいるあなたにぴったり、ほっとけば、その内生える。です。
必要な物
植え方
しっかり根を生やしてもらうために、とにかく見えないとこまで植えます。
そこからはもう、なーにもしません。本当に放置。
実はそんなに無謀なことでも無いのです。
水槽をリセットする時など、崩れてなければソイルを使いまわしたりしますよね?
特にレイアウトをする気の無い、ビーシュリンプの飼育水槽など、元々いた環境のものを使った方が生態にとっても良いことが多いのでソイルの使い回したりすることもあると思います。
以前、ニューラージパールグラスを育てていた水槽をリセットしたことがありました。
その際に、ニューラージパールグラスは全て取り除いたのですが、なんとなく、出来心で、1カブだけソイルの奥底に植えておいたのですね。ニューラージパールグラスを。
それから2年ほどの月日が流れてふと水槽をみると、緑の絨毯になりかけてるではありませんか。
あんなに苦労したのに。ほっといたら絨毯ができてきてました。
少しまばらで綺麗では無いですが、このまま放置していたらいずれ緑の絨毯となることは想像に容易いです。
苦労しなくても、CO2を添加しなくても良いんです。時間が解決してくれます。
自然の力を侮ってはいけないなと思う今日この頃です。
放置されてる水槽だけあってモスが汚い。大掃除しないとね。
最後に
ニューラージパールグラスの育て方一つとっても、色々な育て方がありますね。
やっぱりアクアリウムは奥が深いですね。
皆さんも、日々の生活の中に、水草の飼育状況を観察して楽しむ。なんて時間を作ってみてはいかがでしょうか?
興味を持った方はぜひ、緑の絨毯を作ってみてください。また、この記事が参考になれば幸いです。
それではまた次回!